ESは通るが面接で落ちる
出版社就活では、こういうことがかなり起こります。
私自身もそうでした。
書類は通るのに、面接ではうまく話せない。
本は好きだし、出版業界に入りたい気持ちもある。
なのに、「なぜ出版社なのか」「なぜその作品が好きなのか」と聞かれた瞬間に頭が真っ白になる。
フラストレーション溜まりまくります。マジで。
こんなに好きなのに、言語化が下手で伝わらない。つらすぎた〜。
もし今これに近い状態なら、能力不足というより、自分の好きがまだ言語化できていないだけかもしれません。
というか絶対そうだって。
この記事では、出版社就活でES通過後に面接で苦戦してしまう理由と、面接に強くなる方法をまとめました。
出版社の面接が難しい真の理由
出版社就活は倍率が高いです。
でも、面接が難しい本当の理由は、単に倍率だけじゃないんです。
受験者の多くはすでに
・本が好き
・コンテンツが好き
・作品を届けたい
という前提を持っています。
その上で、自分出版しかずっと考えてませんでした、みたいな読書量がすごい人や、言語化能力に長けたSランク大学生と戦わないといけないこともある。
つまり、私のような凡人は「本が好きです」だけでは戦えない、ということですよ。

そうとも知らず、狭き門と言われるES通ったんだから、もうあとは余裕ではと思っていた私は無事不採用の嵐。
ESでは最低限の熱意が見えていれば通ることがありますが、面接では、その先を期待されていたなんて、知らないんですわ。
どんな作品の、どんな瞬間に心が動くのか
なぜそこに惹かれるのか
その感情を、将来どんな形で読者に届けたいのか
ここまで1本の軸でつながっていないと、面接通過は厳しいと後から知りました。
面接で落ちる人の特徴
私が面接に落ちまくっていた時を振り返ります。

①志望動機が抽象的
「本が好きだからです」
「感動を届けたいからです」
出版社志望なら誰でも言えてしまうありきたりな志望動機です。
面接官は、耳にタコができるほど聞いたでしょう。
②好きな作品の話が浅くなる
「この作品が好きです」
「このキャラが好きです」
「世界観が好きです」
これだと、ただの良い読者なので、そのまま読者でいてね、ということになってしまいます。
作品をどう受け取って、自分はどうしたいのか、というところが全く伝わらないただの感想。
③ESと面接の答えがつながっていない
志望動機では真面目なことを書いていたのに、面接で好きな作品を聞かれると予想だにしない一面が見える。
企画の話になると、また別人格みたいになる。
多面性が見えた方がいいのかなと思って、いろんな一面を見せようとしていましたが、短い面接時間でそんなことはしなくてよかったみたいです。
出版社の選考は設問数が多いぶん、答えの一貫性が見られていて、一本軸があると思わせた方が得なのかなと、今は思います。
受かる人は「好きの分解」ができている
通過した面接では、下記のように話していました。
①志望動機が「好き」から派生している
「本が好きだから」「感動を届けたいから」で終わるのはだめ。
どんな作品のどんな瞬間に心を動かされたのか、その体験を起点にして、「なぜ出版なのか」「なぜその会社なのか」まで言葉にする。
②好きな作品を自分らしく語る
どの場面に惹かれたのか、なぜそこに反応したのか、自分はそこから何を受け取ったのかまで話します。
エンタメの知識が豊富な面接官相手に、知識量で勝負は無謀と分かったので、自分なりの視点で「らしさ」が伝わるように話しました。
③ES・面接・企画が一本の軸でつながっている
ES、面接での受け答え、やりたい企画がバラバラというのはNG。
好きな作品の話をしても、志望動機を話しても、一貫して「自分はこういうものを届けたい」という軸に沿って話すこと。
質問の角度が変わっても別人格のようにならず、印象にも残りやすいです。
出版就活では「好きの分解」が必須
落ち続けること10社程度。
そろそろ戦法を変えなければと思った私。
私が面接で落ちなくなったきっかけは、読書量が増えたことでも、急に話すのが上手くなったことでもありませんでした。
変えたのは一つです。
自分の好きを分解したことでした。
どうするのかというと、好きな作品をいくつか用意し、それぞれの作品のどこに反応しているのかを解剖します。
詳しくは次のセクションで説明しますが、簡単にいうと、
どのシーンが好きなのか
どのセリフに惹かれたのか
どんな瞬間に救われたのか
ここを突き詰めるとただの感想ではなく、自分なりの価値観が見えてくるはずです。
「好き」を語るための3ステップ

①作品全体ではなく「心が動いた瞬間」にフォーカス
作品全体をうまく評論しようとすると、言語力がない人は、たいてい失敗します。
まずはシンプルに考えてください。
どの場面が好きか
どのセリフが刺さったか
どの瞬間に感情が動いたか
ここだけで十分です。
②その瞬間を一般化する
次に、その場面を作品固有の話のままで終わらせず、抽象化します。
たとえば、
・自分を責め続けていた人が少し前を向く
・他人の評価から距離を取れるようになる
・弱さを否定されずに受け止められる
こういうありきたりな形に直すのです。
すると、自分がどんなテーマに繰り返し反応する人間なのかが見えてきます。
③なぜ自分がそこに惹かれるのか考える
ここでやっと、自分の話になります。
なぜその瞬間に惹かれるのか。
なぜ何度も似たテーマを好きになるのか。
この問いを掘ると、面接で使える軸ができてきます。
たとえば、
「自分の自己肯定感が低いから、自分を否定している人が、少し前を向ける物語に惹かれる」
「弱さい自分が嫌いだから、弱さを抱えた人が、そのままでいていいと思える作品が好き」
ここまで言えるようになると、好きな作品を一言で語ることがき、志望動機とやりたい企画が見えてきます。
なので、おすすめは、まず好きな作品をなぜ好きなのかを知る、次にそこから派生した志望動機と企画を考える、という順序です。
志望動機の作り方
出版社の志望動機は、気合いで作るものではありません。
順番があります。
①自分の軸を一文にする
まず、さっきの手順で自分の好きなものがわかったはずなので、そこから派生させた自分が届けたいものを一文にします。
例
「自己否定から少し抜け出せる物語を届けたい」
「弱さを否定しない作品を作りたい」
②志望企業の作品を3つ並べる
次に、その出版社の作品の中で、自分の軸と接点がありそうな作品をいくつか読んでおきます。
ここでやりがちなのが、「有名だから選ぶ」ことです。
これはかなり危ないです。
有名作を挙げること自体は悪くありません。
でも、その会社らしさと自分の軸が結びついていないと、表面的に見えます。
③共通項を探す
作品を並べて、それらの芯の部分の共通項を探し、その会社が強いテーマや視点を勝手に設定します。
本当に言っちゃダメだと思うんですけど、マジで出版社って違いわからなくないですか?
中小だと企業色でてるし、大手でもあるっちゃあるけど、自分がやりたい部署にあんまり違いが見出せないときある。
だから、自分の軸と関連した作品の共通項を探して、自分で勝手にその会社の強みを設定しちゃいます。
例えば、
・等身大の人物を描くのが強い
・弱さや葛藤を雑に処理しない
・読者に寄り添う視点がある
などなど。
企業理解してる風に見せちゃえばいいのです。
④自分の軸と会社の強みをつなげる
ここでようやく志望動機になります。
自分のやりたいことが、さっき作った会社の強みにあっている、みたいな。
つまり、自分の軸×会社の作品傾向=志望動機になるということです。
面接で通る志望動機の例
悪い例はこちらです。
私は本が好きで、感動を届けたいと思い、貴社を志望しました。
これはだめー!
間違ってはいませんが、誰でも言えちゃうから。
改善するとこうなります。
私は、自分を認められない人物が少しずつ前を向く瞬間に強く惹かれる。貴社の『⚫︎⚫︎』『××』、『△△』では、等身大の人物が葛藤しながら進んでいく姿が描かれ、読者が自分の悩みを他人事ではなく自分事として受け止められる力があると強く感じた。だからこそ、そうした物語を生み出す貴社で働き、自分と同じような気持ちを持つ人に寄り添う作品を作りたい。
これなら、
自分が何に反応する人か、会社をどう見ているか、何をやりたいか、が一つにつながります。
実際に書類通過したESはこちらから見ることができます。
面接でやりがちな失敗

①エンタメ知識勝負にしてしまう
詳しいほうが有利だと思って、知識量で殴ろうとする人がいます。私です。
でも面接官が見たいのは、エンタメに対する知見ではなく、あなたの視点です。
②評論家っぽくなりすぎる
作品論を立派に語ろうとして、自分が消える。
これもかなり多いです。私です。
出版社就活で必要なのは、評論の正しさより、あなたが何に心を動かされたかです。
③会社ごとに夢を変える
この会社にはこう言ったほうがよさそう、と迎合しすぎると、意外と面接官にバレるらしいです。
変えるべきなのは夢ではなく、実現の方法の見せ方です。
出版就活で勝ち抜くために
出版社就活で面接がうまくいかないと、「もっと読まなきゃ」「もっと気の利いたことを言わなきゃ」と思いがちです。
でも、本当に必要なのはそこではないことが多いです。
大事なのは、
★なぜそこに惹かれるのか
★それをどんな形で読者に届けたいのか
★それがなぜその会社で実現できるのか
これを、1本の線で繋げることです。
出版社就活は、才能ゲーというより設計ゲーだと思います。
ESが通ったのに面接で落ちる人は、能力がないのではなく、まだ点と点がつながっていないだけです。
「好き」を分解できるようになると、志望動機も、好きな作品の話も、企画も、一気に話しやすくなります。




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